老後のバランスシートには「数字に出ない資産」と「放っておくと重くなる負担」がある 2026/3/24
- 1005hs1
- 3月27日
- 読了時間: 3分
辻・本郷税理士法人のメールマガジンで、
老後を「考え直す」ための24の視点(第3回)
「老後のバランスシートには「数字に出ない資産」と「放っておくと重くなる負担」がある」
を発信しました。
***************************************************************************
前回、老後は「収支」ではなく「バランスシート」で考えるべきだと整理しました。
金融資産、公的年金、不動産。数字で見える資産は整理できます。
それでも不安が残るとしたら、お金以外の部分が整理されていないからです。
1.数字に出ない「資産」とは何か
それは、老後の生活を支える三つの力です。
(1)自分で決められる力老後には、想像以上に決断が増えます。
・年金の受給開始
・住み替え
・介護の選択
・財産整理
自分で決められる間は問題が起きにくい。
では、決められなくなったらどうするのか。
ここが準備のポイントです。
☑ 誰に相談するのか
☑ 最終的に誰が決めるのか
☑ どこまで任せるのか
これを決めておくこと。
これが「判断力が弱ったときの備え」です。
(2)体が動くという前提
健康は資産です。しかし老後では、「元気でいられるか」よりも元気でなくなったときにどうするかが重要です。
☑ 自宅は階段だらけではないか
☑ 病院に通える距離か
☑ 一人で生活できなくなった場合の選択肢は何か
健康は維持できないかもしれない。
でも、生活を急に変えなくて済む準備はできる。
(3)孤立していないこと
人間関係は安心の土台です。しかし「友人が多い」ことではありません。
☑ 緊急時に連絡できる人がいるか
☑ 財産の概要を知っている人がいるか
☑ 医療判断を任せられる人がいるか
「誰も全体像を知らない」状態は、老後では大きな不安要因になります。
2.放っておくと重くなる「見えない負担」
一方で、老後には数字に出ない負担もあります。
(1)資産の複雑さ
口座が分散しすぎている
不動産が整理されていない
誰が何を把握しているか不明複雑さは、判断を遅らせます。
老後では、分かりやすいこと自体が価値になります。
(2)決めていないこと
「そのうち考える」これが一番の負担になります。
決めていないことは、将来の自分か家族に引き継がれます。
(3)役割が曖昧なこと
誰が最終判断をするのか。
これが曖昧だと、いざというときに、誰も決められず、生活が前に進まなくなります。
お金があっても、手続きも判断も進まなくなります。
3.なぜこれが不安になるのか
老後では、
・自分でできることは少しずつ減る
・判断は重くなる
・体力も落ちる
その一方で、
・整理されていないこと
は増えやすいだから不安になります。
不安の正体は、「将来、回らなくなるかもしれない」という感覚です。
第3回の結論
老後の安心は、お金の額だけでは決まりません。
☑ 誰が決めるのか
☑ どうやって生活を回すのか
☑ どこまで整理されているのか
ここが整っていると、資産額以上に安心感が変わります。
老後設計とは、お金を増やすことではなく、生活が止まらないように整えることです。
次回予告
次回は、老後に向いている資産と、向いていない資産の違いを取り上げます。増える資産が、必ずしも老後向きとは限りません。
【執筆者紹介】
代田 秀雄(しろた ひでお)
辻・本郷 ファミリーオフィス株式会社 特別顧問
シロタ・ウェルス・アンド・ウェルビーイング・アドバイザーズ代表
中央大学法学部兼任講師(国際金融論)
国際公認投資アナリスト
三菱UFJ信託銀行、三菱UFJアセットマネジメントで資産運用に長年従事。 「オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)」はじめとするインデックス・ファンドの開発を通じ、個人の長期的な資産形成を支援した。


コメント